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サステナブルな未来を包む「包装資材」の選び方

包装から始まるサステナブル

皆さんがオンラインで洋服を購入したとき、それがどんな袋や箱に入って届くか、意識したことはありますか?


手に取るその瞬間、まず目に入るのは中身の商品ではなく、外側の「包装資材」かもしれません。実はこの“包み”が、地球環境に与える影響は決して小さくありません。

現在、私たちの生活のあらゆる場面で「サステナビリティ」がキーワードとなっています。

再生可能エネルギーやカーボンニュートラルの取り組みに注目が集まる一方で、日常の中の“ちいさな選択”――その一つである「包装資材」の在り方もまた、持続可能な社会づくりにおいて重要な要素です。

特にアパレル業界では、商品を保護する目的でプラスチック袋やパッケージが頻繁に使用されています。雨や汚れから衣類を守るため、また物流過程での破損を防ぐためには欠かせない存在です。しかし、それらが使い終わったあとに適切にリサイクル・処理されなければ、二酸化炭素(CO₂)の排出増加や、マイクロプラスチックによる海洋汚染などの環境問題を引き起こす原因になってしまいます。

だからこそ私たちは今、包装資材においても環境にやさしい選択が必要だと考えています。


環境に優しい包装資材のポイント

では、環境に配慮した包装資材を選ぶには、どのような視点が必要なのでしょうか?
ここでは代表的な3つの素材をご紹介します。

代表的な3つの素材

●バイオマス素材

バイオマス素材は、サトウキビやトウモロコシといった植物由来の原料から作られるプラスチックやフィルムです。石油由来のプラスチックと比べて、製造時や焼却時に発生するCO₂排出量が少なく、地球温暖化の抑制に貢献します。さらに、植物が成長する過程でCO₂を吸収するため、「カーボンニュートラル」という観点からも注目されています。

アパレルでは、商品を包む透明の袋や配送用のパッケージにバイオマス素材を活用する動きが広がっています。

● 再生素材

使用済みのペットボトルなどを再利用して作られた「再生素材」は、廃棄物の削減と資源循環に貢献します。たとえば、リサイクルPETを使ったパッケージは、環境への意識が高いブランドを中心に導入が進んでいます。

また、再生素材を使用していることをパッケージに明記することで、企業の環境への取り組みをお客様に伝える手段としても活用できます。

●生分解性素材

生分解性素材は、土壌や水中で微生物の働きによって自然に分解され、最終的には水や二酸化炭素などに還る特性を持った素材です。マイクロプラスチックによる生態系への影響が懸念される中で、大きな注目を集めています。

ただし、生分解には一定の環境条件(温度、湿度、微生物など)が必要であり、すべての場所で自然に分解されるわけではありません。素材の選択だけでなく、適切な処理ルートを整えることも重要です。

テンタックの取り組み

テンタックでも、こうした素材を積極的に採用し、持続可能なものづくりに取り組んでいます。
工場で発生する端材を再活用し、環境負荷を抑えながらも高い品質を保った再生素材「ハザイナノ」や、プラスチックの焼却処分時のCO₂排出量を削減する「グリーンナノ」など、実用性と環境配慮を両立した素材を導入しています。


包装の「過剰」と「簡易」の間で――難しいバランス

包装を減らすときに考えること

環境にやさしい包装を目指すうえで、もう一つ避けて通れないのが、「過剰包装」と「簡易包装」のバランスです。

「なるべく資材を使わずに包装しよう」と考えるのは、サステナブルな視点として非常に重要です。しかし、極端に簡素な包装は、商品が輸送中に傷ついたり、濡れたりしてしまう可能性を高めてしまいます。

簡易包装のリスクと現実的な課題

破損した商品の再発送が必要になると、追加で資材やエネルギーが使われ、むしろ環境負荷が増加してしまうこともあるのです。

つまり、「包装を減らせば環境に良い」とは一概には言えません。大切なのは、資材を最小限に抑えつつ、製品を適切に保護できる設計です。

テンタックの「適正包装」の取り組み

私たちはこの課題に対し、「適正包装」の考え方を取り入れています。
商品ごとに必要な保護レベルやサイズを見極め、緩衝材の使用も含めて“過不足のない”設計を行うことで、ムダを省きつつ、安全な配送を実現しています。

また、使う資材そのものも環境に配慮した素材へ切り替えることで、「保護」と「サステナビリティ」の両立を目指しています。こうした取り組みを通じて、包装の在り方そのものを見直していくことが、企業としての責任だと考えています。


まとめ|未来を包む、やさしい選択を

包装資材も、サステナブルな選択のひとつ

サステナブルな社会の実現に向けて、「包装資材」はこれまで以上に重要なテーマとなっています。私たちは、製品そのものだけでなく、それを包む「資材」にも環境への責任があると考えています。

当社では、環境配慮素材の採用を進めるだけでなく、仕入れ先や物流パートナーと連携し、包装にまつわるトータルな改善に取り組んでいます。環境問題は一社だけでは解決できません。消費者・企業・社会が一体となって取り組むことが大切です。

私たちが日々手にする包装資材――その一つひとつの選択が、未来の環境に影響を与えています。
派手な変化ではなくても、小さな積み重ねが確かな変化につながっていきます。

これからも私たちは、環境に配慮したモノづくりと仕組みづくりを通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

アパレル副資材事業
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