繊研新聞様にてテンタックの海外事業に関して紹介いただきました。
テンタックの海外事業
中国はサステイナブル資材で内需開拓
ベトナムは転写マーク拡販
ブランドタグやパッケージ主力のテンタックの海外事業は、中国は内需市場の開拓、ベトナムは地産地消ニーズの取り込みに力を入れる。アイテムでは中国内需でサステイナブル(持続可能な)資材、ベトナムは転写マークを拡販する。またコスト削減や短納期化も推進する。
中国事業は日本のSPA(製造小売業)、GMS(総合小売業)向けが好調で、23年の売上高は微増の見込み。催事の再開でセレモニーウェアが好調なほか、ユニフォーム関係のリニューアルの増加も貢献した。透明度や強度を維持したリサイクルフィルムの品番を拡大したこともあり、サステイナブル資材の引き合いは引き続き増えている。ICタグも商談が活発だ。
受注時期は揺れ動いており、「気候変動による店頭展開の早まりや、生産工場の閑散期活用が影響している」。また為替や中国景気後退、原材料高騰などへのコスト対応策として、「アパレル各社は資材を見直すことが予測される」ため、納期短縮やコスト削減にも注力する。
中間層の拡大でアパレル消費も伸びているベトナム・ホーチミン市内
(テンタック提供)
そのために、①各生産工程の見直しや品質に影響のない範囲での業務簡略化②従業員の多能工化③自動化設備の導入④生産基地集約、非効率工程の外注化などを検討、実行する。また中国の2拠点は、各拠点の強みを生かした商品作りをする。
ただ全体としては日本、欧米ブランドともに縫製拠点は脱中国が進行しているため、「内需企業へのアプローチが激化している」。価格競争にも巻き込まれているが、「環境配慮型商品の提案を重点にしながら、縫製工場の意見を取り入れた商品開発や過去に評判が良かった商品の再提案」など、粘り強く訴求する考えだ。
一方、ベトナムは好調を維持している。「中国からの生産地の移管が引き続き活発で、ベトナム北部から中部にかけてへの進出が増加している」といい、特に「ワーキング・学生服関連の生産が集中している」とみる。同社は現地営業活動も強め、確実に引き合いを増やしている。
またベトナムからASEAN(東南アジア諸国連合)への供給も、人件費高騰が懸念材料のタイのほか、カンボジア、バングラデシュなどが伸びている。その半面、材料輸出メリットの少ないフィリピンや情勢不安定で撤退する日系企業もあるミャンマー向けは落ち込んでいる。
ベトナム事業は今後も引き続き顧客の要望に応えることに重点を置く。ベトナムへの縫製による地産地消ニーズを取り込む考えで、日本国内や他の海外拠点で行っている一部業務のベトナムへの移管も開始している。また新規設備の導入も積極的に行い、製造工程を省力化してコストも削減。ハノイ工場で製造している「転写マーク」の販促をさらに強化し、同社の優位性を顧客に訴求してシェア拡大を目指す。