繊研新聞様にてRFIDの生産ラインとテンタックの強みに関して紹介いただきました。
「繊研プラス https://senken.co.jp/」

ICタグ供給が世界的に不安定だが…テンタック、国内工場強みに拡販へ
ファッションECの成長に伴ってICタグへのニーズが高まっている。
しかし、世界的な半導体不足でICチップやハードが高騰し、入手困難となり普通のタグに戻したアパレルもあるなど需給バランスは崩れている。
こうしたなか、国内ICタグではトップシェアのテンタックは、インレイ(ICチップとアンテナを接合したもの)の安定調達や国内外で確立した生産体制を強みに、アパレル以外も含めてICタグ事業を拡大する考えだ。
(藤川友樹)
需要の高まりは、ECの浸透や雑貨などへの商材拡充によるSKU(在庫最小管理単位)の拡大で、物流倉庫の入出荷や梱包(こんぽう)・発送作業、店頭での棚卸しが煩雑になっているためだ。

量産から中小ロットまで対応できる加須工場
テンタックはスケールメリットを生かしてインレイをほぼ底値で調達しており、タグそのもののコストも抑えている。
今年に入ってRFID事業本部を新設し、より専門性を高めて使用企業をサポートできる体制を強化した。
「アパレルは投資に慎重なところもあり横ばいだが、年度末に向けた予算消化で導入を検討している企業も多い」(鬼塚航取締役RFID事業本部本部長)。一方、化粧品やサブスク事業者など非アパレルの問い合わせが顕著に増え、「アパレル以外でもシェア拡大を狙っていく」としている。
生産は中国やタイ、ベトナムの海外拠点が中心で、全拠点を合わせると年間15億枚の生産能力がある。
役割が高まるのが世界拠点のマザー工場として位置付ける加須工場(埼玉県加須市)。
異業種からの受注増に対応するほか、アパレルの国産回帰が少しずつ増え、年間1億枚の稼働に到達する勢いだ。
億単位で生産できる国内工場は珍しく、さらに生産能力を増強することも検討している。

実際の使用シーンを想定した大型の検証機も

自社開発の設備も充実する
14年に設立した加須工場はICタグの印刷、インレイの挟み込み加工、印字、エンコード、検証まで一貫した生産ラインを確立。
継続的な設備増強で、ロットは量産型から中小規模まで、種類はロール状の紙タグからラベル、シールまで、様々な要望に応えられる。
ここで培ったノウハウや設備を各拠点に横展開し、タグに印刷する色の修正指示を出すことで、どこからでも同じ品質のICタグを供給できるようにした。
1日15万枚を生産できるタグ・ラベル加工機のほか、通信性能測定機など大型の設備を導入している。
通信性能測定機はインレイの磁界強度や通信距離などを測定・評価できるもので、段ボールに商品を重ねた状態で読み取れるかなど、実際の使用シーンを想定した検証を行えることが好評という。
自社開発のオリジナル機械も豊富で、高速エンコード機、印字・エンコード検証機、バーコード・エンコード検証機、手動検証機などがある。