繊研新聞様にてカミナノ、カミナノライト、カミナノボードについて紹介いただきました。
「繊研プラス https://senken.co.jp/」
テンタックが紙資材の販売強化
「カミナノ」シリーズとして
訴求切り替えを需要捉える
ブランドタグやパッケージ主力のテンタックが、紙資材の開発・販売に力を入れている。ファッション・小売企業の脱プラスチックの流れが加速するなかで、同社は紙資材を機能・コスト・風合いに応じて選択肢を広げており、プラから紙への切り替え需要を捉えている。
同社は今年から紙製のフックやキーパーなどの資材をシリーズ化して、「カミナノ」ブランドとして訴求している。「プラスチックの代替素材として世界で勝負する」(橋本惇巨社⻑)方針で、今年はカミナノシリーズとして2億円の売り上げを見込み、3年後には10億円の規模にまで引き上げる計画だ。
プラスチック同様の強度や弾性があり、主にシャツ向け資材の「カミナノ」のほか、反発力はカミナノに劣るがコスト優位性が高いためプラから切り替えやすく、フックやハンガーに適した「カミナノライト」、米袋などの古紙を再利用したクラフト紙で風合いのある「カミナノボード」などを揃えている。
カミナノはGMS(総合小売業)のシャツやインナー大手など、カミナノライトは家具・インテリアでハンカチやタオル、カミナノボードはグローバル大手SPA(製造小売業)のインナー・レッグウェアと、様々な用途で大手企業での導入が先行。中小のファッション企業や異業種での採用も本格化してきた。
カミナノは天然セルロース繊維100%の原紙をセルロースナノファイバーと呼ばれるナノのレベルにまでいったん分解し、再度凝集・結合させた特殊強化紙。表面のコーティングや強化剤の混ぜ込みなど従来とは異なる方法で強度を高め、生分解性も高い。プラスチックの代替素材として、同じ厚みであれば「プラよりも強度が高い」という。
大手製紙メーカーと共同開発しており、「ほぼ独占的に販売できる」。素材の一括仕入れと、日本、中国で一貫生産することでコストメリットを出している。「これまでプラから紙への切り替えはコストが障壁になることが多かった」がこれを解消。同社の国内外の拠点で販売網を構築している。
ヨーカ堂の人気PBシャツで採用
イトーヨーカ堂は今春から刷新したPBシャツの「超・形態安定シャツ」で、カラーキーパーやピンといった資材を「カミナノ」に切り替えた。同ビジネスシャツは15年の発売以降、累計330万枚売れている人気商品。カミナノの採用によって年間でペットボトル20万本の削減を見込む。POP(店頭広告)などで環境配慮型資材の使用をアピールしていることも後押しして、計画比を上回る売れ行きだ。
環境配慮型商品の開発を強化している同社にとって、シャツ資材をサステイナブル(持続可能な)にすることは大きな課題だった。配送に耐える強度を確保し、店頭でシャツの襟を奇麗に見せられることを前提に、プラの代替資材を探すなかでカミナノの導入を決めた。
同ビジネスシャツはミャンマーで生産し、海上輸送で日本に持ち込んでいる。「商品が1カ月ほど船上にある間に、形崩れしない強度をもつことがカミナノ採用の決め手になった」(加藤和也イトーヨーカ堂衣料雑貨部マーチャンダイザー)。船便と日本国内の陸上輸送の両方でトライアルを繰り返して実装にこぎつけた結果、「プラスチック資材を使用していた時よりも形崩れしにくくなった」という。